【日本のバラ!?返り咲き?一季咲き?四季咲き?スーパーエクセルサ?】キングローズの育て方

キングローズの育て方

キングローズは日本でスーパーエクセルサなどと日本のノイバラを交雑させたと言われているとてもいいつるバラです。

数十年前から流通していてどこにでも売られていました。日本の庭先でも頻繁に見る機会があります。築30年以上経過している家が多い住宅街では数件に1軒くらいの割合で見かけることもあります。

濃いピンクがデジカメのコントラストが壊れたかと思うほど濃い最も強烈な色を出すバラです。

とにかくディスプレイが限界を超えるくらい発色の良い濃いピンクです。

キングローズは一季咲きなの?それとも返り咲き?

大企業をよそ目にリモートワークで元気になった人も多いようです。そんな人々から再び注目を集めているのが日本のバラ「キングローズ」です。

品種詳細は不明です。

つまり品種登録はできません。

ずいぶんと昔に「スーパーエクセルサ」という外国の有名な品種と日本のノイバラをかけ合わせて作られたんじゃないかと言われています。

この時点で外国の品種とは別のものになりますので種苗法に違反はしていません。大丈夫です。安心して売買してください。

そして、品種の詳細が不明なので誰も種苗を登録することができません。

みんなの公共資産といえるでしょう。

さて、このキングローズは名前も付けられずに、農協の園芸コーナーで売られていました。

だいたい、こういうところで売られているものは定番で大量生産されていて、本当にいいものだから長年生産しているといった実力派揃いのコーナーになるわけです。

ですから、このバラを買うときも「殿堂入り」くらいしてるのかなと思いつつ買った覚えがあります。

それはさておき、あまりにも短すぎて「カクテル」と同様に油断しすぎているうちに殿堂入りしたということはないかと思いますが、とにかく若い世代がバラに興味を持ち始めているのです。

そこで一番目につくのが親世代が育てていたキングローズを見て「何だこれは?」「カメラが壊れたのかと思った」という程のコントラストに衝撃を受けるわけです。

世の中にこんなコントラストの高い花はありません。おそらく。

デジタル世代に衝撃を与えたのでしょう。

さて、改めて見直されたキングローズがじわじわきています。

みんなこれが「一季咲き」なんて勿体ない!

なんで四季咲きや返り咲きじゃないの?

という声が非常に多く上がっています。

そして、調べていくと、「うちのは返り咲きしたよ」という情報が園芸ブログなどを中心にいくつも散見されました。

おそらく、返り咲きするのだと思います。

でも、全くしない、一季咲きだという人が大多数となっているようです。

それを見て「羨ましい」とコメントしている人も多かったです。

スーパーエクセルサという品種は四季咲きなのでこれを買ってください。

それで解決です。

キングローズというバラが素晴らしかったとしても殿堂入りするのはスーパーエクセルサになるのではないでしょうか?

という気がしてしまいます。

ならば、今ある一季しか咲かないキングローズを捨ててスーパーエクセルサを買い直しましょうか?

そんな勿体ないことはできない!

とみんな口を揃えていいます。

これが口コミのちからです。

普通に新苗が価格 1,580円 (税込) 送料別で販売されています。

まあ、これなら買うでしょう。

でも、「スーパーエクセルサとキングローズはトゲや枝や伸び方の特徴が別のものだ」と園芸ショップの方がはっきりとおっしゃっています。

プロが言うんですからそうなのでしょう。

私が写真を見たのですが、別のような、同じような、、さっぱり区別が付きません。

花は全く違うように見える写真と同じように見える写真があります。

これでは分かりません。

スーパーエクセルサは1986年作出なので日本にも本当のスーパーエクセルサが販売されて植えられている可能性もあるわけです。

ですから、四季咲きのキングローズがある!と思ったらそれはスーパーエクセルサということになるのでしょう。

ところで、自分でもキングローズと思わしきものを育ててみたところ、返り咲きらしきものが若干ありました。

相変わらず、ぶれずにうどんこ病に弱いので可愛そうな感じになっていますが、もうこれも定番です。

バチルス菌を撒いたのですが、なんとかうどんこ病に耐えながら二番花を咲かせてくれました。でも、1本のベーサルシュートのような長い枝の先端に咲いただけです。これもかなり大きな特徴といえるでしょう。一番花が200花とすれば二番花が10花程度という感じです。見落としている可能性も高いです。

このような感じでピエールドゥロンサールのように今の所、ほんの僅かな返り咲きといった感じです。

ベーサルシュートのように長く伸びたシュートの先端が3つに分かれてそこに出蕾しています。

これでは普通に花が咲きそうな感じがします。

他の枝は咲きがらをカットしてから時間があまり経過していないため、新芽も成長がわずかで、蕾は確認できていません。

この後どうなるのかまた追記します。

ただ、樹勢が強くて出蕾しないのかと思いきやシュートに出蕾していることからもそれはなさそうです。

もしかしたら、普通に返り咲くのかもしれません。

ただ、四季咲きとは言いたくありません。

スーパーエクセルサは四季咲きといってもツルバラですから、「非常に返り咲く」、「繰り返しざき」という表現が正しいのでしょう。

そこまでの雰囲気はないのと、木の伸び方がスーパーエクセルサとは異なるのでうちにあるのはキングローズの仲間なんだろうと思います。

ただ、スーパーエクセルサとキングローズを並べて見比べて、どうしてもキングローズじゃなきゃ駄目だって思うでしょうか?

もし、思えば価値がありますが、なければみんな四季咲きのスーパーエクセルサを買っておしまいになるという気がします。

でも、同じ何じゃないの?

交配とかしてないで、ただ単にスーパーエクセルサの種を取って育種しただけじゃないの???

っていう疑問も残ります。

キングローズの成長の様子

農協で4月末に買った700円の苗を畑に植えて1ヶ月後くらいの様子です。ラベルがちゃんと作られていて印刷されている花も同じなので量産品だということが分かります。

さらに1年後の5月中旬ごろの様子です。無農薬だったのですが、夏には害虫のおかげで葉が0枚になってしまいました。その後掘り上げて鉢植えにして育てています。

初年度は畑に植えたのですが、肥料は周りから流れてくるので、とにかく大きく育ちました。

もうシュートが何本伸びたことかわかりません。蕾の数は1房に40個以上確認できました。

こんなについても畑なので次に行く頃には花が枯れているわけです。もう二度と畑でバラなんか育てたくないと思いました。

キングローズとスーパーエクセルサの見た目の違いは?

キングローズとスーパーエクセルサの見た目の違い

↑これがドイツ Karl Hetzel作出のスーパーエクセルサです。

これが日本のどなたか作出のキングローズです。

花の形が微妙に違うような。。あと揃って咲いているのが違います。しかし、季節や温度によって花の形は変わりますのでよく分かりません。

スーパーエクセルサかエクセルサの見た目

スーパーエクセルサだけでなく、エクセルサ(Excelsa)という品種もあって1908年アメリカ作出で一季咲きです。花の大きさも同じ3cmで6mにも伸びる品種になっています。

また、エクセルサは「レッドドロシーパーキンス」という名前の方が正式なようです。

写真はエクセルサ(Excelsa)として登録されていたものがヒットしていますが、スーパーが混じっているかもしれません。

この見た目、うちにあるキングローズと全く同じです。

これはつるバラっぽい伸び方をしています。細い枝がいっぱい伸びているところがキングローズとは違うような気もします。

うどんこ病にやられている写真までありました。このうどんこ病に弱いあたりもそっくりです。

エクセルサとは樹形が異なる?

エクセルサは6mも伸びるが「這い性」に近い。そして一季咲き。

スーパーエクセルサは「しなやかなつるバラ」樹形で3mになるが四季咲き。

四季咲き特性を獲得した分伸びないのか?

そんなこんなでどちらだかよく分かりませんが、キングローズとは樹形が異なるといえそうです。

キングローズは半直立という感じがします。自立していても人の背丈くらいまでは平気でいます。風に煽られてあぶないので支柱を立てましたが、自立も可能な感じです。

しなやかというよりはがっちりとしたツルという感じです。

1年間でどれくらい伸びるかといえば、地植えで5月末で1.8mくらいの高さになりましたので3mくらいになりそうです。エクセルサとは樹形が異なると言っていいでしょう。

そうなると、キングローズはエクセルサとも違う品種の特性を持っているといえそうです。

そもそもSuper Excelsaの意味は?

「Excelsa」という言葉はラテン語で「とても高い、とても高いところにある」、「より大きい」、「より優れた」という意味の言葉だそうです。

「Excelsa」というバラはアメリカで作出されたネーミングです。

「Super Excelsa」はドイツで作出されたバラです。ラテン語にも力を入れています。

「Super」はラテン語でも英語でも「の上に、をしのいで」という意味があります。

これで意味が分かりそうですね。

「Super Excelsa」は「とても高いところの更に上にあるバラ」という意味になるのでしょうか?

でも、ExcelsaからSuper Excelsaになって樹高は6mから3mと低くなっているはずです。

「Super」は樹高の高さで「Excelsa」の「上になった」という意味ではないようです。すると、「Excelsa」をしのいでさらに優れているという意味で使用されたのだと想像できます。

どなたが「キングローズ」と命名したかは分かりませんが、まさに的確な名前でネーミングセンスに溢れた方だと思います。

バラは世界の国の「Queen」や著名人の妻や親しい女性の名前が付けられる傾向が非常に高いです。

いいバラになればなるほど王族の名前が付いたりしています。

そんなバラと日本の風土に適応したノイバラを交配して作出したバラができたら?ノイバラ台木がいつからできたかは分かりませんが、交配してしまうことで日本の土地に合った強いバラが作出できると考えたのかもしれません。果樹は紀元前300年代には接ぎ木栽培が行われていたそうですから可能だったかもしれません。日本でも1927年にすいかの接ぎ木栽培が行われましたので可能だったかもしれませんが、新品種作出の方が良かったのでしょう。

あとは考えるまでもないのですが当時の日本においては、まだ男性社会が残る企業風土、政治の世界という状態だったことを考えると、「王」という名前を付けたかったのかもしれません。しかし、後述の「勝手にオベリスク仕立て」のことを考えて「キングローズ」と名付けたような気もしてしまいます。

たわいもない妄想をしてしまいました。

「普通にエクセルサを挿し木で増やしてキングローズとして売ってたよ」という方もいました

たぶん、そうなんじゃないかと思います。

スーパーエクセルサなのかエクセルサなのか分かりませんが、それを増やして日本名を付けて売ればいい。

普通によくあることじゃないかとも思えます。

だって、「エクセルサ」の言葉の意味が「とても高い」という意味を持っていて、キングのように高いところまで天高く伸びて花を咲かせるという特徴を見ればスーパーエクセルサやエクセルサを「キング」と呼びたくなるじゃないですか?

真実は分かりません。

買うならキングローズかスーパーエクセルサかエクセルサ?

キングローズはおそらくスーパーエクセルサなんじゃないかと個人的には思っています。

ですが、夢を追うならキングローズを買うのがいいと思います。

また、普通に考えると、

  • とにかく大きく広い面積を覆いたいならエクセルサ
  • 品種にこだわる人はスーパーエクセルサ
  • 古き良き日本を感じたい人はキングローズ

という感じになるかと思います。

耐病性が強いとどの品種も書いてあるんですが、たしかに極端にすごく弱いということはないのですが、大きくなるバラの頂点がうどんこ病になっていると薬剤散布をするのが嫌になります。

今は地面に撒くタイプのバチルス菌が登場しましたのでこれがどれくらい抵抗性を示してくれるかに期待したいところです。

ちなみに、うちではキングローズのことを「農協」と読んでいます。

農協で野菜苗と一緒に安く売られているのを買ったからです。

なんだか、キングよりも「農協」の方がしっくり来るネーミングですね。

キングローズの品種特性

日本語名 キングローズ、キング
英語名 King rose, King
作出者 不明
作出された年 不明
作出された国 日本
コンクール受賞歴

系統 R(ランブラーローズ)
開花タイプ 一季咲き性、返り咲き
花の大きさ 3cm
花の形 八重咲き
樹形 半自立性、つる
樹高 3m~
芳香 微香

 

キングローズの開花の様子

ブラッシュ・ノアゼットの葉が写り込んでいます。

ブラッシュノアゼットとの組み合わせが美しいです。

似たような大きさです。これで四季咲きだとさらにありがたいのですが。

キングローズはトゲが少ない品種かどうか?

トゲは少ないかと言われれば、ちゃんとあります。でも、多くはありません。

ほとんどないとは感じません。油断していると結構ぐさっと刺さります。でも、トゲが小さいので優しい痛さです。

キングローズの新芽の様子

新芽は見た目は普通な感じです。しかしながら特別なところがあります。それは新芽が全てシュートというか、ベーサルシュートみたいなイメージなんです。

蕾が付いて花が咲こうが枝から新芽がどんどん発生して伸びていきます。

すると、すべての枝がホウキ状になるのですが、ホウキというよりは車のホコリをとる羽毛がついたくるくるするやつみたいな感じになります。

つまり、見た目は株の上の方はまだまだ枝が伸びている最中なのに中段から下段で花が咲いているようなイメージです。

ある人はこれを頂芽優勢を無視しているといっています。

たしかに、水平に誘引したら全ての枝から新芽が伸びるのは分かるのですが、垂直に伸びている最中に全ての節から新芽が伸びてきて枝分かれするイメージです。

↓の写真を見ると分かるように各節から新芽が伸びています。新芽の咲きには蕾ができています。この時はまだ5月の花が咲き始めたくらいの時期です。

そして、その新芽に花が咲きます。ですので、↓の写真のようにこんな不格好な姿になります。上段はシュートが伸び続けているのですが、わき芽が全部の節から伸びて蕾が付くのでこのように下段と中段に花が咲いているようになります。

これって、不思議ですね。この状態で葉と花枝を除去すると3~4本だけの主枝になります。つまり、この花枝は全部、主枝のわき芽から出ているものということになります。

春、出芽したらシュートを垂直にそのまま伸ばしておけば「勝手にオベリスク仕立て」になるというわけです。

ちょっと、これは凄いことかもしれません。

地面を這っていれば、このように花が咲いていくのかもしれませんが、垂直でこの状態になるとはまさに頂芽優勢をガン無視しているとしか思えません。

単純に考えると、誘引しなくていい!、誘引する意味がない?、誘引したら一生放置でいい?、冬剪定しなくていい?

というような期待の混じった疑問がたくさん湧いてきます。このバラは何も知らない人が育てても確実にバラのタワーを完成させることができます。

これを「勝手にオベリスク仕立て」と呼ぶことにします。「オベリスク」のことを調べてみると、これはたしかに「キングローズ」という名前がふさわしいですね。

これがもし「四季咲き」だったら?

もう地獄のようなフラワータワーが立ち上がることでしょう。

キングローズの蕾の様子

蕾のところの茎が少し赤茶色がかっているのが特徴です。

キングローズの葉の様子

照葉で小さい濃いグリーンの葉です。

強そうに見えますが病気にも害虫にも弱く油断するとすぐに壊滅的になります。

キングローズの茎の様子

一般的なバラの茎です。

トゲは少ないほうかもしれません。

キングローズの根もとのシュートの様子

シューターはベーサルシュートでなくとも、中段位から伸びたシュートがとても勢いよく伸びてきます。

キングローズの苗を買う方法は?

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「ガーデニングサプリ」編集部

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