タマネギ(玉葱)の育て方
- 肥料、苗を植える時期、茎葉が倒れたら収穫時期
- 早生、極早生、超極早生、中晩生、晩生
- 穴あきマルチと強い日当たり-セット玉ねぎの球根を植えると早く収穫できる
玉ねぎは分類上は、ヒガンバナ科 ネギ亜科 ネギ属であり、長ネギなどはネギ科 ネギ属です。一応、違う植物の仲間ということです。
タマネギの栽培は簡単そうで難しいですが、実に簡単です。
玉ねぎというと、広大な大地で大量に栽培されているイメージがあり、家庭菜園ではなかなか簡単にできそうにないような気がしてしまいます。
確かに日当たりがかなり必要で、何かが遮るような建物の間にある庭やベランダなどでは難しいものがありますが、ひらけた場所があれば狭くても作ることができます。
日光が非常に重要な役割を果たしていて、日照時間の長さにとても敏感に反応して玉ねぎは成長していきます。 また、玉ねぎの成分が生成されるためには日光は必要不可欠でとにかく大事なものです。
玉ねぎ自体は全く広い場所を必要としません。日がよくあたる場所があれば、玉ねぎは本当に玉ねぎが置ける位の地面があれば問題なく育ってしまいます。
これは一日を通して日陰ならないということで、まわりに建物がないということですので、畑などのひらけた土地がないと難しいかもしれません。
おそらくうまくいかないパターンとしては玉ねぎが大きく丸くならないということが考えられます。自分が失敗したときには、肥大が完全に行われず楕円形の小さな玉ねぎになってしまいました。
また、成長が遅れてしまい、ほとんど玉ねぎの大きさにならずにチューリップの球根みたいな大きさにしかならなかったため、その玉ねぎをまた再度、翌年植えて栽培したら、今度はニンニクのように分球してしまいました。

さらに、ねぎぼうずが出てきて、その玉ねぎを食べようとしたら皮が固くて固くてとても食べられたのではありませんでした。二年の歳月をかけて実践した失敗例です。
しかし、純粋に日光が当たるという条件だけを満たせば、全く何の問題もなく玉ねぎができてしまいます。
また、玉ねぎ春になるまで成長もほとんどしませんし変化もありません。育てるといっても特にやることはなく追肥を少しするぐらいです。
乾燥にも大変強いため、また寒さにも強く、真冬であっても特に何もやる必要なく育つ育てることができます。このような感じですので、玉ねぎを育てるといってもほとんどやることがありません。
ただ苗を植え付けるということを行えば良いだけだと思います。
ただし、種から苗を育てるとなると結構大変なところがあります。苗を植え付け時期までにある程度のちょうどいい大きさにしていないとうまく育ちません。
そういう意味では玉ねぎの苗が安く売られていますので、それを利用すれば非常に簡単にできます。
玉ねぎの肥料の量の目安(施肥基準)
元肥として(m2あたり) | チッソ:5g リン酸:20g カリ:10g 堆肥:2kg |
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追肥として(m2あたり) | チッソ:10g リン酸:0g カリ: 5g *春になりはじめた頃に追肥する。 |
タマネギの栽培スケジュール
- 種まき(8月から9月)
ある程度、大量に作る人は苗を作ることになります。かなり高いからです。1000本を超えるようなら苗を作ったほうがいいです。しかし、失敗することも有りますし、 種自体が高い品種もあります。いい品種、極早生、F1品種は高いものが多いです。失敗した場合は苗を買うこともできるので、一応、保険となり得ます。
時期が早いF1品種と、固定種で安いものを2種類以上、栽培することが多いようです。
- 苗の定植(10月から11月頃)
肥料を混ぜて、よく耕うんしておき、マルチを張り苗を受け付けます。
黒マルチが一般的ですが、無くても十分育ちます。ただし、雑草抜きが大変です。冬へ進む時期は心配いりませんが、冬があけてから成長し始める時に、もし、雑草が 芽生えていたら、それはすぐに抜かないと、玉ねぎを覆い隠してしまいます。
また、玉ねぎの収穫時期になると、葉が倒れていくため、それを過ぎて畑に放置しようとすると、あっという間に雑草に覆われて、玉ねぎの葉も枯れてしまいますので、およそ 一ヶ月程度で、どこに玉ねぎがあるかわからない、雑草を抜くだけで、一苦労で、そのあと、玉ねぎをさがすが、雑草を抜いている時に、玉ねぎを踏みつけて傷つけてしまうという、 最低な事態になることがあります。
よく育った苗は、根鉢がセルトレイ型にピッタリしていて、機械で植え付けることができるそうです。得てして、玉ねぎの苗を作ると、根鉢が無くて干からびたネギに なっているものを植えることが多いですが、植え付けはほとんどが手植えでしょう。大規模は広大な土地で栽培するときは機械化したいところです。
基本的には、玉ねぎ用の穴あきマルチが売っています。それを張って、あとは穴の部分に玉ねぎの苗を植えていくだけです。深すぎず浅すぎず、根鉢がないものは、 転倒している状態で植え付けることになると思います。ある程度、根が土に埋まっていて、成長する葉の付け根は埋めないように気をつけます。
- 追肥(3月から適宜)
やはり、やったほうがいいのですが、マルチを張っているとどうしても、億劫になります。
マルチを一度剥がしてやる、といっても、穴がたくさんあいていて、中央部はどうすればいいのか?などということで、直接1穴づつ肥料を入れたら、根ヤケしそう?? ということがあり、あまり、追肥にいい環境とは思えません。液肥として与える方法もあります。マルチが無ければ、ただ、バラマキすれば何の問題もありません。
- 収穫(5月から6月、品種による)
この時期が一番、楽しい時期です。玉ねぎはほとんど成長せず、最後の1ヶ月くらいだけ一気に成長します。
そのため、できているぞという感覚はここで分かります。春までの時点で、茎葉の太さからおよその収穫時の平均重量は予測できます。また、そこで追肥を加減する ことで、ある程度取り返すことも出来ます。
およそ、大きさが十分であればいつでも収穫していいのですが、あるいみ、食べたい時に収穫する、出荷したい時に収穫すればいいわけです。
一応、葉が倒れてから収穫するというのは、最大限肥大させるのと、組織がしっかり育ち、皮が固くなり日持ちするからだと思います。
新玉ねぎという、不思議なものがあります。あまり苦くなくて、辛くない?というか、玉ねぎ臭さが弱くて生で食べるのに適しているものがあります。
これは、品種でにちがいますが、小さい、未成長な時点での玉ねぎを食べればこういうことになります。若玉ねぎとでもいえるものです。
ただ、あの臭さ、涙がでるほどの刺激臭が日持ちを良くするものです。
- 乾燥(3日以上)
葉が倒れてから引き抜いて、数日乾燥させてから保管することで貯蔵性がよくなります。晩成タイプだと六ヶ月は楽にもちます。
タマネギ栽培の様子
玉ねぎの病気と害虫
- べと病
- さび病
- 黒斑病
- 乾腐病
- 炭疽病
- 黒穂病
- 腐敗病
- 萎黄病
- アザミウマ
- ハモグリバエ
- ヨトウム
- ネギコガ
- タネバエ
玉ねぎを育てることのメリット
タマネギは出来たと言っても、売っているタマネギがそのまま出来上がった感じであまりお得感はありません。
また、とくになにもしないのですが、なぜか、達成感があります。重たくて収穫した時の重量感がたまりません。
軒先に紐でタマネギを束ねて吊るしていると、なんとなくいい気分になれます。タマネギの香りが妙にいいアロマになる感じです。
とくに赤茶色い保存がきくタマネギは店で安価で売られていて本当になんとも言えないものがありますが、赤いタマネギは結構高いのでお得かもしれません。その代わり日持ちはあまりしません。
なんとなく、いっぱい玉ねぎが収穫できると嬉しいものです。あとは、健康番組では定番で、必ず健康に良いと言われていますから、一応、健康に気を使うようになった人は好んで食べています。それが自家製だということでさらに嬉しい事でしょう。
意味もわからず、ひたすら、畑中に玉ねぎの苗を植えられるだけ植えて、食べられないくらいに作ってしまうほど、玉ねぎには魅力があるようです。それでも日持ちしますので、誰かにあげるとかも出来ていいものです。
これだけのメリットがあったら、玉ねぎを育てない意味が分かりません。とにかく、玉ねぎを育ててみようと思います。まあ、健康や、パワーがでてきそうな、血行がよくなるというのは確かなので、健康メリットは非常に大きいです。だったら、不快な都会のストレスなんて、吹き飛ばしてしまえそうです。
玉ねぎはどこまでが皮か?
よく、らっきょうはどこまでむいても皮だと嘆いている人が居ました。たしかに、どこも皮でどこまでも皮であり皮を食べているようなもの、それはそう、玉ねぎにも言えることでした。
玉ねぎの可食部はどこだ?といえば、ほとんど全部に近いくらい、無駄がありません。
それは売られている状態で、葉の部分がとられた状態です。
理論上は、ほぼ全てが99パーセント可食部であるといえるのですが、なぜでしょう。。カレーでさえ、最初の1、2枚の皮、いや、身をはいで使います。贅沢じゃなくて、そうなんです。
とても硬い繊維が入った状態になっていていくら煮込んでもかみきれません。
まして、とろとろカレー玉ねぎにはなりません。元からペーストいれておけばいいという噂もありますが、たしかに食べれません。
なにせ、硬いのです。だいたい、緑になっている部分です。
写真を見ればわかるように、皮なんて、ほんとうに数十分の1ミリです。それなのに、皮はどこまでか?という疑問があります。
それは、身なんです。身が緑になっていると硬くて食べれません。つまり、日光にあたっているとダメなわけです。なんだそら?とおもうかもしれません。
ならば、土に埋めて育てないとだめですね。埋めれば逆に美味しい感じになる。
ただ、これは、不思議なことに赤玉ねぎでは、薄皮1枚だけむいて、あとはすぐに食べれます。柔らかいのが特徴ですが、いきなり、皮すぐの身を食べても大丈夫です。それも生でも。
これは、緑変しないことはたしかです。かなりの吸収効率を誇る、紫色という太陽光を遮る要素があります。これは、太陽光を遮るには十分なわけです。薄い茶色の玉ねぎは半透過性で、太陽光を通してしまいます。
だから、組織を守るため、光合成するために、 緑の組織が出来てしまいます。赤玉ねぎは、表皮の紫色の皮で、光を遮光するわけです。実際、太陽に透かしてみると、どれだけ違うか分かります。
だから、緑変せずにすぐに全ての身が使える、それが赤玉ねぎです。日持ちは黄色い玉ねぎのほうがいいですが、太陽光の影響かどうかはわかりません。

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