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鉢植えやプランターの土が硬い?どうすれば固まらない?
鉢植えやプランターの一番の問題は地面とは違うことです。
そんなのわかってる!
と言わないで下さい。
地面に植える地植えと比べると鉢植えやプランターは水が限られていてすぐに乾燥してしまうから水やりを忘れないように気をつけなきゃいけないんだ!
という人はたしかにその通りです。
ですが、本当に大事な違いがもっとたくさんあります。
鉢植えやプランターが地植えと違うところ
- 地植えは根を伸ばせば地面が吸収した雨水を吸うことができるがそれができないこと
- 水やりをしないとすぐに水が切れてしまう
- 水やりのたびに肥料分やミネラルが流出してしまう
- 土の中にミミズやダンゴムシなどの有用昆虫がいないこと
- 水やりのタイミングと量が非常に難しいこと
おそらく鉢植えやプランターで上手く育てることができたらプロになれます。
でも、どこの家にも植木鉢やプランターはあります。
でも、プロはどこの家にもいません。
これが非常に難しいことです。
金魚が誰にでも飼えると思っていたのにあっさり失敗して金魚も育てられない自分に落ち込む人が結構います。
でも、金魚を初めて飼う時はとても難しいことがあります。
おわかりになったでしょうか?
簡単そうに思えて実はすごく難しいのが鉢植えやプランターの世界なのです。
なぜ鉢植えやプランターの土は固まってしまうの?
鉢植えやプランターで栽培していると有機肥料を頻繁に上げているのになぜか土が固くなってしまいます。
これは買ってきたばかりの培養土ならいいですが、数年経過した鉢や、再利用した土などがそれにあたります。
本当は時間が経った土の方が熟成されて微生物が住み着いていい状態になっているはずなのですがなぜでしょう?
まず、どうして培養土は固まらずに柔らかいのか考えてみましょう。
それは赤玉土だけを買ってきてプランターに入れてみてください。
最初は水が染み込んでも形が作れないほどパラパラしています。
だから固くしまってしまった土にならないのです。
でも、これは不自然なものです。
人工的に乾燥させた関東ローム層の土をパラパラの粒にしたものです。
しばらくすると、粒が崩れて硬くしまった土になってしまいます。それも庭土というか、宅地造成で使うような地盤がしっかりするくらいに硬くしまる土なのでとても硬くなってしまいます。
だから、培養土でも再利用の土でも硬く固まってしまうのは同じことです。
ただ、少しだけ新品の培養土のほうが固まるまでの時間があるといえます。
ではなぜ、地面である庭の土は固まってしまわないの?
ということを考えてみましょう。
それはミミズやダンゴムシがいるからです。
ミミズは土を食べて団子状の糞にして出してくれます。
ダンゴムシは落ち葉を食べて団子状の土のような糞をしてくれます。
どちらも生きた土を製造してくれる昆虫たちです。
これが鉢植えやプランターには居ないので硬く固まってしまうのです。
ミミズをプランターに入れておくと土は固まりません。
試しにやってみて下さい。
固まってしまうと水がちゃんと染み込まなくなる!
固まること自体は別にいいんじゃないの?
と、大抵の人は思っています。
ある程度までは別に問題がないと思うのです。
しかし、夏くらいになるとあれ、なんだかおかしいな?
と気がつくのです。
それは水をやってもやっても水分を吸わない部分があることに気がつくのです。
鉢は外からは見えません。
ですから、たっぷりと鉢底から染み出すくらい水を与えます。それも2回やることによってやっと全体的に染み込んだかなと思うわけです。
でも、翌日に鉢の土を掘り返してみると、昨日水をやったのにカラッカラになっている部分があることに気がつくのです。
これが園芸レベルが上ったという証拠ですね。
これで気がつくのです。
鉢の中で水が届いていない場所がある!
ということに。
さて、どうしましょう。
柔らかい培養土を買ってきて植え替える?
本当は夏に植え替えなんて考えるだけでもおかしいのですが、
ほんとうに困ったときはさっさとやってしまいます。
ところで関東ローム層を固めただけの赤玉土で柔らかいふりをした培養土を買ってきても来年には土を入れ替えないとまた固まって、水が染み込まない部分ができてしまいます。
これでは嫌ですね。
鉢植えの何が嫌かって植え替えをしないといつのまにか枯れてしまうわけです。
かと思うと、植え替えをしていないのに何年経っても全く異常なしというものもあります。
これは多肉植物やシャコバサボテン、欄などがそうです。
植物の特性でしょう?
と思うかもしれませんが、違うのは用土が違うのです。
多肉植物、シャコバサボテンは用土がほとんど軽石でできています。これでは1,000年くらい経っても土が固まることはありません。
おそらく、千年間植え替えしなくても元気で居られるでしょう。
欄は種類によっては用土が100%バークチップという不思議なものもあって、こちらもバークチップが分解されて腐葉土になってさらに分解されて無くならない限りは植え替えしなくても枯れることはないでしょう。
これが赤玉土でできた培養土を使った鉢植えやプランターではすぐにだめになってしまうのです。
ほんとうにわざわざ駄目なものを使って駄目になっているのです。
呆れてしまいますね。
どうすれば土が固まらない?水の道ができない?
水が染み込まない部分と染み込む部分ができてしまうと、水はいつも決まった道を通って底まで流れてしまいます。
これではいくら鉢底から水が染み出すまで水をやっても、何回やっても乾燥して根が成長できない部分ができてしまうのです。
これが中心部分にできると根の大事な部分が枯れてしまうことによって、そこに対応する植物の中心部分が枯れて株全体が枯れてしまうことになるでしょう。
こんなの嫌ですよね?
毎日水やりしているのに水不足によって枯れてしまうのです。
あれ、成長不良だなと思ったときにはこういう状態になっているのです。
でも、夏だからどうしようもできない!
と思っていると枯れてしまうのですね。
枯れるよりはマシと思ってやってみるのも1つの手です。
これを頭に入れて我慢して、来年の植え替えの用土選びのヒントにするのも1つの手です。
水がちゃんと染み込まない感じがしたら支柱を土に挿して水を通すことができます。
根鉢ができているのを崩すはおすすめできませんが、成長不良になっている株は根鉢が確認できないほど弱っているものです。
さて、どうすれば土が固まらないのかというと、
- 培養土を買ってきて入れ替える
- 元の土に軽石(小粒)を混ぜて植え替える
- 軽石のかわりにパーライトや鹿沼土を使う
以上のような方法があります。
1はまた来年買いたくなるようにできています。
つまり、時間が経てば赤玉土の粒が崩れてまた固まります。
2は一般的なブレンドの培養土では軽石が入っていることは滅多にありませんが最強です。
なぜ入っていないのでしょうか?
これは軽石といっても石ですから、小粒でも砂利を入れているようなものです。
未来永劫、石が鉢の中や地面に残ってしまうわけですから、培養土を売る側としてはさすがに石を混ぜるのは良くないと思うのでしょう。
そのため、鹿沼土やパーライトを入れています。
鹿沼土もパーライトも軽石の仲間なのです。
ただ、鹿沼土は噴火したときに粉になった軽石が降り積もったものを固めたもので、パーライトは軽石の仲間の真珠石を高温で発泡させたものです。
どちらも少しの時間が経つと崩れて赤玉土にまみれてわからなくなってしまいます。
土を固めない効果は一定期間だけです。
これで分かりましたね?
軽石(小粒)こそが未来永劫に固まらない、いや、固まるかもしれないが水の道を作らせない、植替えをしないでも長く育てられるポイントなんですね。
ただ、畑のように農機具が入るところでは石があると本当に危険で迷惑なので石は入れてはいけません。
みんな必死の思いをして石を1粒も無い状態にしたのです。
そして、安心して耕運機をかけても石が飛び跳ねてこないから安心していられるのです。
ここに石なんか入れたら怒られますね。
鍬の刃も傷んでしまいますし、軽石といえども石は悪というわけです。こんなの販売している培養土なんかに混ぜられませんね。
ミミズをプランターや鉢に入れるのも1つの手です。これで何年もミミズが生きていて土が固まらないことを確認できました。
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